艦長の決断 2020 5 30
激しい海中戦で、潜水艦の前部が破損してしまった。
敵の魚雷を回避できたが、前方の岩礁に衝突してしまった。
早くも浸水が始まった。
急いで前部区画を閉鎖しなければ潜水艦が沈没してしまう。
しかし、前部区画には、まだ乗組員が残っている。
艦長にとっては、究極の決断を迫られてしまう。
さて、政治家も、潜水艦の艦長と同じでしょう。
新型コロナウイルスを根絶できていないのに、
世界のニュースを見ると、
外出規制の緩和や営業活動の再開というニュースが増えています。
このまま都市閉鎖を続ければ、経済が崩壊してしまうからです。
経済は崩壊するが、都市閉鎖で新型コロナウイルス感染防止を選ぶか、
感染は広がるが、経済再開を選ぶかの「究極の選択」でしょう。
しかし、新型コロナウイルスの致死率は高くないので、
ある程度の犠牲者を見込んだうえで、
経済の再開を選択せざるを得ないかもしれません。
経済苦による自殺者の数は、
数千人、数万人に及ぶかもしれません。
世界規模では、数十万人、数百万人に達するかもしれません。
今は、第二の局面になったかもしれません。
最初の局面は、ひたすら感染防止でしたが、
今は、経済のことも考えていかなければならない局面を迎えています。
しかし、経済を再開させれば、感染者が増え、犠牲者の数も増えるでしょう。
ここが、政治家にとって、つらいところでしょう。
しかし、有事の時こそ、政治家の出番であると言えるのです。
政治家という職業は、神に代わって国民の生命や財産を預かる仕事だからです。
本来、選挙で選ばれるということは、そういうことを意味するのです。
もちろん、政治家の仕事は、決断だけではありません。
厳しい時代を乗り切るには、国民を鼓舞していく必要があります。
困難な時代には、国民に勇気を与え、国民を励ます言葉が常に必要です。
言葉には、力があるのです。
スウェーデン方式 2020 5 6
新型コロナウイルスは、
すべての人類が免疫を獲得しない限り終わらないかもしれません。
人類の歴史は、未知のウイルスとの戦いだったからです。
ワクチンもない、治療薬もないとなると、
人類に残された手段は、集団免疫の獲得しかない。
それが人類の歴史となるでしょう。
2020年4月29日の「CNN.co.jp」には、このようなニュースがありました。
「厳格な行動制限設けないスウェーデン、新型コロナ対策は成功したのか」
(CNN) 世界各国が新型コロナウイルス感染拡大への対策に苦慮するなかで、
スウェーデンは、厳しい行動制限を設けない独自の路線を貫いてきた。
スウェーデンでは、今も通勤者が街を行き交い、カフェやバーで会話が弾む。
大学や高校は遠隔授業に切り替えたが、小中学生は学校に通い、
美容院やレストランも営業を続けてきた。
それに比べて近隣諸国の対策は、はるかに厳格だ。
緩やかな対策を取るスウェーデンの死者数は人口10万人あたり22人を超え、
近隣諸国の中でも突出している。
デンマークは人口10万人あたり7人余り、
ノルウェーとフィンランドは、いずれも4人足らずだ。
(引用、以上)